英 文 学 の 広 場






こんにちは、ようこそ hokuto77 Guidance for Students へいらっしゃいしました。

 若い皆さんへ、未来に向って開いた人たちへ、遠慮なく話かけることが、隠居の身の大きな楽しみの一つです。

 皆さんがおそらく見たことのない映画、007(ダブルオーセブン)シリーズ、若しかして進路に迷っているのであれば、せめて北斗七星の役割のまね事でもと、あるいは、野球部員の経験があればラッキー7、また、一頃大流行の「777」の幸運を体験した大人も多いことですが、閑居の不善をよいことに、色々と忖度してこのハンドルネィム77を追加しました。ここまで来ると、ア、若しかしてこの人、野暮な元高校教員かも、、、ピーンと来たことでしょう。

引退した後の思いがけない多忙の中で、若い時の怠慢のままに積み残してしまった未接続の英文学を、閑居のあいま、あいまに読んでいて、二回目に入った時に、更に一段と理解しにくくなっていることにびっくりしました。こりゃいかん、
どげんかせんと(新進気鋭のタレント政治家、
東国原英夫宮崎県知事のキャッチフレーズを思わず拝借してしまいました。元野暮教員の教え子の一人ではあるのですが、、、)一語一語、辞書や大先輩の注解を頼りに「ワード」に入力している間に、ふっと心のサインに気付きました。こうなったら、事のついでに、若い皆さんがその気になれば、少しでも原文を読んで楽しめるように徹底してはどうか、、、その時から進度が超スローとなり、一日わずか2、3行ずつとなりました。

人は誰でも、出来るだけ早い時期に、絵画音楽文学科学的な目や芽など、優れたものに出会えれば、人生は相当変わることでしょう。それぞれの分野で一芸に秀でた人達のほとんどが、20の始めまでにそれと出会って強いインパクトを受けられた結果のようです。この「広 場」は、皆さんの一芸発掘などと大それたものではなく、ちょっと覗いて、興味がわいたら読んでみてはいかがでしょうかとの気楽な誘いです。

すこし理屈っぽくなりますが、学生時代に英語に接するのは、そのほとんどが入学試験や、単位修得のための勉強とか、就活をにらんでTOEICTOEFLでの高得点、英検などの資格取得のためと、いずれも試練に耐えて通過過しなくてはならない意味のある重要なことです。しかし、それだけで終わるのでは、英語が可哀そうで、ある一語、ある一音節が、何の制約や義務もなく、耳や目に入って、夢と想像の空間を創り出し、そこで自由自在に、思い切り羽ばたくことも必要でしょう。ここは、若い人たちのためのそのような夢想広場のつもりです。えっ、この忙しいのにまたあの英語かよ!たしかにそれは言えますが、忙中閑を楽しむの例えで、(和英辞典を利用すると、 You can snatch a moment of relief from the pressure of busy times.と長たらしいのですが)人生は長い目で見ると、いたるところに忙中の閑があって、それを掴めば潤いを与えられます。

 シェクスピアの 「リア王」よりも「ハムレット」の方が古くからいろいろと話題になってきましたが、「リア王」の話の土台は、親子の心のつながり、財産の相続、誰もが秘めているどろどろとした欲望や野心、その中で懸命に活躍する正義など、悲劇的な結末は別にして、現代でも現実に起きている日常性の高い内容です。ハムレットのように、父親を殺された仇討をキーにして、やや抽象的で哲学性に富む特異な構成とは対照的で、「リア王」は具体性が強く、若い人達にも共感されるのではないかと思いました。舞台やスクリーンでの上演を見るのが一番よいのですが、ここでは、文字を読んで皆さんのイメージをふくらませて下さい。

 アダムとイヴが、禁じられた木の実を食べて、エデンの楽園から追放された話は、何時か、何処かで聞いた記憶があるでしょう。ミルトンという人は、視力を失いながらも、聖書のその話を元にして崇高で雄大な叙事詩、「楽園の喪失」あるいは、「失楽園」を詠いあげました。その中には、古代ギリシャの詩人ホーマーの作品からの引用や、ギリシャ・ローマ神話の登場人物の行動が、例えとしてたくさん登場しています。この詩は、神と人間の関係がテーマということですが、英文学で、最も優れた作品の一つだと言われています。これを原文で読むのは簡単にはいきません。物語の中心人物の一人は、 Satan という、神の言うことにはまるで従わない天使です。蛇の姿を借りて人類をだめにしたのはこれなのかと、そのキャラクター、行動が文学的な興味を引きます。しかし、
Satanは、元々は、愛すべき人物ではないのですよと、
 Michael J. Cummings氏は、Paradise Lost A Study GuidePlot Summary (©2005) の中で、Satanについて次のように述べています。

--- Modern readers often admire him for his steely defiance. He would rather rule in hell, he says, than serve in heaven. It was
not Milton's intent, however, to create an admirable character; rather his intent was to create a character of colossal hatred---

   
[*him=Satan *steely=strong, hard and unfriendly
    *defiance=open disobedience, open refusal to obey
    *
admirable=surprisingly good, excellent  *colossal=very large]

 この二つの作品を読んでいる途中で、東京大学の名誉教授で、日本学士院会員になられた、故平井正穂先生が、敬虔なクリスチャンだとはお聞きしていたのですが、英文学で最も優れた作品は、シェクスピアの King Learミルトンの Paradise Lost だと思っていると話されたことがあると知り、意を強くしました。二つの作品の本文と注釈が、hokuto77 websiteへ掲載されるのは、ずっと後になります。

 今回は、King Learの梗概 (Synopsis) Paradise Lost 作者Milton自身による梗概 (The Argument) websiteで紹介します。
 
長くなりましたが、皆さんの参加を心からお待ちしています。(January 1, 2009 by hokuto77)